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今回の本
単行本の装丁がとっても素敵だったので、本当は単行本が欲しかったのですが文庫本の装丁も可愛かったので文庫本購入を選んだこちらの本です。
ちなみに単行本はこちら。
あらすじ
ルップマイゼ共和国の冬は、とても厳しくミトンなしでは生きていけない。
マリカは、おじいさん・おばあさん・お父さん・お母さん・そして3人のお兄さんがいる家でついに生まれた待望の女の子。
生まれて間もないマリカの手に合わせて、おばあさんは真っ赤な毛糸でちっちゃなミトンを作ってくれた。
マリカが生まれた日、お父さんと3人の息子たちはクリスマスツリーに使うトウヒの木を切りに森へ出かけた。お母さんは産んだばかりなのに、パンを捏ねて黒パンを作った。おじいさんはマリカがご飯を食べられるようになったときのために、木の器を作った。
そのあとは、あるもので精一杯の御馳走を用意してマリカの誕生を家族とご近所さんとでお祝いした。
子供たちが12歳になる頃、共和国では誰もが必ず受けなくてはならない試験がある。
生きていくために必要な力を身につけるための試験。男の子には男の子の、女の子には女の子の。
マリカが受けなければならない試験は、糸を紡いだり刺繍やレースをしたり、ミトンを編むこと。
しかし、マリカは家の外の世界にばかり夢中になっていたので手仕事が嫌いだった。とはいえ、試験に落ちるとこの共和国では生きていけないため、必死で頑張った。
ルップマイゼ共和国では、女の子がお嫁にいくときにはながもちに沢山のミトンを入れて持っていく。結婚式の引き出物として、親戚や友達に配るためだ。そのため、小さい時から周りの手を借りながらミトンを編む。
ミトンで気持ちやプロポーズの返事をするし、常にミトンと共に生きていくルップマイゼ共和国。
この本は、その国で成長していくマリカのお話。
感想
マリカという少女の生まれてからの一生を描いた本作。
初めての恋や結婚式、そして戦争や別れ。少女時代は、あんなにミトンを編むのが苦手だったのに、成長するにつれてミトンを思い通りに作ることができるようになっていく。
前半は読んでいるこちらも思わず微笑んでしまうような温かいほのぼのとしたエピソードが多く、中盤から後半は涙してしまう場面もありました。
マリカという少女の一生を通して、一緒にその国で生きているかのような気持ちになりました。
童話のような語り口で、それも相まって物語に熱中させてくれます。
冬は終わってしまいましたが春先のお供に読んでみては、いかがでしょうか。
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