【読書日記】わかれ縁/西條奈加

今回の本

西條奈加さんの本をまとめて購入したうちの1冊を今回は読みました!

『わかれ縁』ってどんな縁なんだろう?気になりますね!


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現在文庫化されました!

あらすじ

絵乃は結婚して5年経つが、浮気と借金を繰り返す夫に絶望していた。

最初の浮気がバレてからは悪びれもせず、浮気も借金も隠そうとはしなくなった夫。

毎度、浮気相手の対応や借金の取り立てに合うのは定職についていない夫ではなく絵乃だった。

そして、今日も絵乃の仕事先に借金の取り立てが来て解雇されてしまった。

家に帰りたくないが、両親はおらず他に帰れる家はない。

いっそのこと夫を・・・と危ない考えを抱いてしまうくらいに絶望していたが、小走りで駆け出した絵乃は前からきた男とぶつかってしまった。

ケガをした絵乃を手当てしてくれた男は、旅籠の手代 椋郎だと名乗った。

そのままの成り行きで男に自身の悩みを話すことになった絵乃。

すると椋郎は、離縁したいという覚悟はできているか?と聞いてきた。

その時代の離縁は男性側が去り状を書かなければ出来ないものだった。

椋郎は離縁を得意とする訴訟の際に宿泊する公事宿の手代なのだという。

早速、椋郎の勤める公事宿の主人に依頼をしたが手付金として三両必要だと言われてしまった。

絵乃には先ほどもらった給金の一両しか払えない。

ひとまず家に帰りたくないので、そのまま宿に宿泊することにしたがやることがなく暇を持て余していたので接客を手伝ってみたら、主人から正式に宿で働いてみないかと誘われた。

女中ではなく、離縁に関する手代として女性が欲しかったのだという。

自身の離縁に向けての資金をためつつ、他の離縁についての仲介をすることになった絵乃。

はたして無事に夫と離縁できるのか??

感想

自身の離婚(現代風に言うと)するための仕事として、他の夫婦の離婚の仲介人として取り組むうちに夫婦としての在り方について考えるようになっていく主人公 絵乃。

それにしても絵乃の夫が本当にどうしようもない!自身の女性を魅了する性質を最大限使って、絵乃を縛っています。

絵乃は途中で気づいて良かったですが、現代においても気付けないままにズルズルと搾取され続けてしまう事例はよく耳にします。

絵乃の離婚についてを除くと全部で4つの離婚騒動のエピソードがあるのですが、その中でも『錦蔦』が印象的でした。

両親ともに職人の家の生まれであり、子どもに素晴らしい才能があり両家ともに跡継ぎとして子どもを引き取りたいという話。

大岡越前のような子どもの両手を引っ張り合うような争いを前に絵乃たち狸穴屋のメンバーがどのように収拾をつけるかは見どころです。

最後は絵乃の離婚の話になるのですが、思いもかけない事件に発展してあらゆる縁が登場してきます。

私は最後の展開には胸がスッとしましたが、人によるかも?

『三行半』を本作で初めてその文章を知りました!!去り状って色んなテンプレートがあるようで面白いですね!

江戸時代では女性が子どもを預けて働くのは普通のことだったのに、一体どのような転機があって『妻は家庭を守るもの』という意識に変化していったんだろう?とふと考えてしまいました。

いつかこの辺りについて載っている本も読んでみたいと思います!

今回の本の本体表紙と裏表紙

何かを決意したような面持ちの女性が佇んでいます。赤い糸は縁をあらわしているのでしょうか?

ジャケットを外すと、そこにはかわいい狸が!!

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