【読書日記】丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。/竹村優希

今回の本

タイトルを見て、ホラーものかなと想像はしましたがジャケットに爽やかイケメンが居たので、きっとそんなに怖くないだろうと思い購入しました!

あらすじ

就活真っ最中の大学生 新垣澪は丸の内の吉原不動産の高層ビルに一目惚れした。

吉原不動産は巨大な財閥系企業 吉原グループのグループ企業である。

つまり日本屈指の一流企業なのだ。

これといったアピールポイントみ特技もない澪だったが奇跡的に最終面接にまで来ることができ、窮地に陥っている。

難しい質問 「外から見て当社はどのように見えているのか?課題などあれば言ってほしい」というものに対して答えが浮かんでこない。

良い答えが思い浮かばず、苦し紛れの返答に右端の面接官に笑われてしまった。

今すぐに逃げ帰りたいと思う澪に対して、その面接官に馬鹿にされたような質問をされてしまった。

『この部屋に、面接官は何人いると思います?』

侮辱されているとしか思えない質問に四人だと答えると面接官たちは一斉に眉を顰めて面接が終わった。

日本橋川に向かって鬱憤を晴らすように叫んでいると先程いた面接官の1人が近づいてきて欄干の上へ澪の腕を引いて登ってしまった。

もう一緒に落ちてしまうと思った時、面接官の人数を聞いてきた男が助けてくれた。

彼は第六物件管理部部長 長崎次郎だ。

先ほど川に飛び降りた面接官、実は投身自殺した社員だと言う。

そんな幽霊がいるなどと揶揄われたと思った澪は何も考えないようにして帰宅した。

その後、吉原不動産から適正試験をすると通知がきた。

まだチャンスがあることを知り、意気込んで行った先はビルの地下にある第六物件管理部だった……

感想

最初の一話を読み終えて思ったのは…「怖っ…」

表紙からライトな感じを想像してたからなんの構えもせず読んだのですが、なかなか怖いぞ。

ホラー小説と違って本作では、呪われたり次々と人が祟られたりの恐ろしいところは省かれている(過去の入居者履歴から察する感じ)のですが、件の物件に寝泊まりして検証するところの幽霊が出てくるところの描写は普通に怖い。

各話短いながらも幽霊がほどほどに救われていくところは、読んでいてこちらもホッとします。

成仏させることが目的ではなく、『物件に住む人に悪さをしないようにする』ところがなんとも現実的であまり見ない設定だけに面白いです。

澪の楽観的で現金な性格も魅力で、結構酷い目にあっているのに頑張るところは応援したくなります。

部長の目的は果たされるのか気になるところですが、私はこの本は夜に読めないので(怖いから)ゆっくり追いかけていきたいと思います。

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