【読書日記】あずかりやさん/大山淳子

こんばんは。

前回はドロッドロの話を読んだので、今回は心温まる本を読んでみました。


今回の本

ちょっと変わった目線での話です。
とっても切なくて温かい話が短編で入っています。

あらすじ

明日町こんぺいとう商店街の端っこには、「さとう」の文字が白く抜かれたのれんが掛かっています。

3代前までは、和菓子屋さんでした。だから砂糖の「さとう」。2代目はサラリーマン。そして、2代目である両親が次々と家を出ていき、残された息子が3代目。

3代目が行っているのは、「あずかりやさん」。あずかりやさんとは、一日100円で指定の期限まで預かり、期限を過ぎても受け取りに来ない場合は、預かりものは3代目のもの。そして売れるものは売り、使えるものは使い、処分すべきものは処分します。

以前は、店のまえに「あずかりやさん」の説明書きが貼ってあり、それなりに繁盛しましたが不法投棄などが多く、処分にかかる費用の方が多くなる始末でした。

いつの間にやら、その張り紙がなくなり、必要な人だけが立ち寄るようになります。

あずかりやさんは、預かったものの中味などを確認しません。どんなものでも一日100円。また、無理に説明も求めません。

あずかりやさんは、預けた人のことを帳簿などに付けたりしません。すべて声で判別します。そうです。3代目は目が7歳のころから見えません。

信用第一のこの商売。あずかりやさんの元には様々なものが預けられます。思いやりから手放す物や自分のために今は少し遠ざけておきたいもの、時には物騒なものも。

預けた人やその時の3代目の様子を語るのは、なんとモノです。

ある時は、お店にかかっている「さとう」ののれん。

ある時は、預けられたカッコいい自転車。

またある時は、和菓子屋だったときに使われていたガラスケース。

時には、親猫があずかりやさんのところに預けていった小さな白猫。

ヒトではないものの目線で、あずかりやさんと依頼人の様々な思いが語られる本です。

感想

あずかりやさんを取り巻く空気は、とても澄んでいて、時の流れがゆっくりと流れているように思いました。

だからこそ、理由があって預ける人たちは、自分のことを振り返ったり、悩みが解決するのかなぁ。

「ほっこり温かな人情物語」と裏表紙に書いてありましたが、まさにその通りな本です。

でも、「店主の恋」は悲しく切ない気持ちで一杯になりました。白猫の語りなのですが、最初は何が起きたか分からない白猫の語りがそれはもう・・・切ない。やるせない。

どうやら続編もあるようですね。こちらも読まなければ。

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