【読書日記】田舎の紳士服店のモデルの妻/宮下奈都

今日は、ブックオフオンラインで購入したタイトルの本についての紹介なのですが、
最近あることをキッカケに書店のシオリ集めに火が付きそうです。

あることとは・・・
そう。この本に挟まっていたシオリが独特でオリジナリティあふれた書店の栞だったから。
明正堂と書いてある真緑の栞。調べてみると上野にある100年を超える書店のようで、海を越えて私のところにやってきたんだ!と思うと感慨深いです。

そこから色んな書店のシオリ、できれば書店オリジナルのシオリを集めてみたい!と思っている次第です。今まで捨ててきたシオリのことを思うと泣けますが気長に集めてみたいと思います。

今回の本

インスタで紹介されていて、タイトルが独特なこちらの本です!

あらすじ

私は、タイトルから紳士服店のモデルをしている美しい妻の話かと思っていましたら、違いました!「紳士服店のモデルをしている旦那さんの妻」の話でした。

いつものように少しだけ紹介します。

主人公は竜胆梨々子(りんどう りりこ)。梨々子は、若いころ美人と言われ、その当時に一際輝いて見えた達郎にひとめぼれし結婚して、今では2人の子どもである潤と歩人(あると)がいる。

東京で周りの幼稚園のママ友との付き合いや子どもの世話に忙しい日々。

ある日、達郎が会社を辞めて田舎に帰りたいと話を切り出した。田舎に住んだことのない梨々子。不安と焦り。行きたくないと言いたいが、達郎はどうやら鬱のようで静養が必要のようだ。仕方なく、一時的のつもりで達郎の地元へ引っ越した。不愛想な隣人に町内全員参加の運動会。子供たちのことで小学校から呼び出されることも多くなった。

若いころからいつも主役になれそうで、なれない。王道をかすっている梨々子。本当は、田舎になんて来たくなかったし、田舎には一時的にいるだけ。本当は、こんなはずではない。本当の自分はこうではない。

東京の大して仲良くもなかったママ友からもらった餞別の10年日記帳。これからは嫌なことがあったときには書くといいともらった。捨てるか否か悩んで持ってきた日記帳にたまに一言書き綴る。

「自分は何者なのか。どうありたいのか。」を知るために。

本の章は10年日記に梨々子が書いたような一言形式で年数とタイトルが書いてあります。

・0年 かすりの梨々子、田舎に立つ

・2年 潤とピアノと二人三脚

・4年 たくさんの間違い、ひとつの出会い

・6年 歩人とたのしいかぞく

・8年 誕生日が待ち遠しい

・10年 とりあえず卒業おめでとう

感想

普通の主婦である梨々子の日記帳を覗き見ているような感じでした。普通なんだけれども、気になって続きが気になり、読む手が止められませんでした。昔は、旦那への恋に胸を騒がせ、今では旦那よりも子どもの成長に一喜一憂し、カッコよかった昔の旦那のことを思い出して今から目をそらす。30歳から40歳、子どもの成長とともに母親として妻として、梨々子自身の考え方の変化が穏やかに描かれていきます。

ところどころ、ハッとするような文章があります。夫婦なのに親子なのに「ひとりぼっち」と感じるところなど。

時には、ちょっとした事件もあったり。今の私には共感できなかったけれども、あと何年かして、「○○ちゃんのママ」と呼ばれ、旦那からも子どもからも「ママ」と呼ばれ、私自身を見失ってしまったら、再びこの本をもう一度読んでみたいと思います!

そして10年日記、いいかもしれないですね。昔はこんなつまらないことで悩んでいたのか~と数年後に笑って見返せるといいなぁ。

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