今回の本
電子書籍で購入して読んだのですが、手元に置いておきたくなり紙の本も購入しました!!
あらすじ
俺は大学の研究室でいざこざを起こしてしまい、研究室の助手との人間関係がうまくいっていない。
これをみかねた教授が少し大学を休んで奈良の私立女子高で教師をしてみないかと持ちかけてきた。
教授の友人が経営しており、産休に入った教師の代わりの臨時の教師を探しているとのことだった。
結果、9月半ばに赴任することが決まった。
いざ気合を入れて教室に入り出席を取ると1人遅刻してきた生徒がいた。
堀田イトだった。
堀田は、遅刻した理由をマイシカの駐禁を取られてしまったからだと言う。
奈良の人は鹿に乗ってスーパーにも行くのだと平然と話す。
あまりにも当たり前のように話すので、俺は半信半疑になってしまった。
後から騙されたことを知り、学年主任に顛末を話した。
その日から堀田による黒板へのメッセージによる抗議が始まった。
「チクリ」「パンツ三枚千円也」「靴下四足千円也」などどこで仕入れた情報か毎朝黒板に書かれるメッセージに精神的に参っていた俺は大仏殿の裏の原っぱで物思いに耽っていた。
すると雌鹿が近寄ってきて
『さあ、神無月だーー出番だよ、先生』
と喋ったのだ。
鹿曰く、俺は運び屋に選ばれたらしい。
京都に行きそこで渡される【目】を無事に鹿に届ける。
先方は伏見稲荷の狐の使い番が持ってくるはずだと。
さっぱり分からなかったが高校の京都・大阪・奈良の姉妹校3校が集まって行う大和祭が今年は奈良で行われ、その打ち合わせに京都に行くことになった。
打ち合わせ場所は京都の伏見稲荷近くの旅館だった。
果たして【目】とはなんなのか?
俺は無事に高校教師と運び屋の任務を全うできるのか?
感想
これは10月に読むとなお面白いと思います。ちょうど読み終わったのが10月1日だったのですがこれからの10月と言うひと月が楽しみになりました。
最後は、それからどうなるのー?って叫びたくなるような余韻を残した終わり方で想像するのが楽しいです。
私は日本古来の神々を交えたSFが好きなようです。本書を読んで実感しました。
序盤で奈良の人はマイシカを持っていて、スーパーなどに乗りつけるんだと半分信じてしまいました。そして先生と一緒に悔しがりました(笑)
一瞬でも信じてしまうくらいサラッと当たり前のように書かれているので仕方ない!!
鹿と鼠と狐、ナマズと富士山噴火に地震そしてサンカク…誰が誰の使いなのか?
サンカクの謎に迫るとき、一見関係なさそうに思えた蘊蓄が真相に絡んでくるところは見事でした!!
今まで京都に心酔していましたが、奈良も次回は行ってみたいなと思いました。
ポッキー食べたくなるので、ポッキーを購入してから読むと良いかもしれません。
今回の本の本体表紙と裏表紙
紙の本は単行本で中古購入しました!
まずはジャケットから〜裏はシンプル!
ジャケット外すとなんとブルー!
おすすめ関連書籍
同じ京都大学の作家さんということで森見登美彦さんの本を紹介します!