【読書日記】わたし、定時で帰ります。ライジング/朱野帰子

今回の本

ドラマ化もされた『わたし、定時で帰ります。』の3作目です!!

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あらすじ

前作で色々あったけれど寄りを戻し、結衣と種田晃太郎。

しかし、種田が購入したマンションに連れて行ってもらい改めて結婚を誓い合ったところに会社から電話が入り種田の3日後の月曜日から仙台出張が決まってしまった。

炎上している案件があり、その火消しをするために行かなければならないようだ。

土日の間に両親への挨拶や結衣がマンションに住めるように家具家電を揃えていたら、週末は終わってしまった。

種田がマネージャーとして率いていたチームは結衣が代理マネージャーとして引き継ぐことになった。

種田が仙台入りしたのと同時に仙台から2人社員が本社に来た。1人は平の社員で、もう一人は会社の創業メンバーであるベテランだった。

彼らと仕事をしていて見えてきたのは、残業したい部下たちとそれを許容する上司たち。

必要な残業ならまだしも時間内に終わる仕事を引き延ばして時間をかけすぎている。しかも進捗を見せてくれない部下。

この問題は仙台でも起きており、そもそもこの残業代稼ぎが今回の炎上の原因だった。

残業したい部下たちは、残業しないと生活が苦しくなるからだと訴える。

結衣は定時で帰れるように部下に給料の賃上げを約束するが、上層部に賃上げ交渉が無事にできるのだろうか?!

感想

今回の内容も共感の嵐でした!

『定時で仕事を終わらせて帰る』ことにネガティブなイメージを未だに持たれている結衣。

でも視点を現実に置き換えてみると、私たちの働く日本の企業ってそうですよね?

『仕事を終わらせている』のにも関わらず、定時で帰ろうとする人がいると「周りの人をみて手伝って」と言われたり、言われなくても「あの人って自分のことばかりしかやらないよね」と陰で言われたり・・・・

周りの人を見て、支え合ってみんなで作業を分散させて『みんなで早く帰ろう』という風習。

お祭りのようなあの残業時間。わかるけど・・・・じゃあ、そのために自分の仕事を早く終わらせた自分の努力って???

組織という枠で働く上では難しく、勇気のいる問題ですよね。

本作は、残業代を稼ぎたいがために残業する部下たちを相手に結衣が頑張りますが、その先に見えてきたのは組織的な問題で。

創業当初のメンバーに比べて、会社が落ち着いてから採用した人や新人たちの給料の安さ。

それにしても社長には一杯食わされますね~。これまでの結衣への勝手な期待にはイライラしていましたが、今回もイライラさせられると思っていたらさらに上を行っていて・・・さすが経営者!!と呆れてしまいました。

これからの結衣と種田の動向が気になりますね~!

結婚することだし、産休や育休に関する話題も今後は含まれてくるのかしら?楽しみです!

今回の本の本体表紙と裏表紙

ジャケットは前作ブルーでしたが、今回はグリーン!

裏面は世の中のあるある言葉でしょうか?本文に出てたっけ?

本体は作中にも出てくる業務改善提案書ですね!!

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