【読書日記】競争の番人/新川帆立

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今回の本

ドラマでも人気の『元彼の遺言状』の作者の新作です!

本作は弁護士が主役ではなく、公正取引委員会の審査官が主役です!!

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あらすじ

白熊楓は公正取引委員会の審査官だが、今は斎場の化粧室にいた。

聴取していた相手 豊島が自らの命を絶ってしまったのだ。

信頼関係もあったはずだし、市役所職員による談合について最後に証言してくれた時は晴れ晴れとした顔で笑顔を見せてくれていた。

だが聴取を終えたその日の夜に屋上から飛び降りてしまったのだ。

豊島の娘が化粧室にやってきて「どうしてお父さんは死んだの?」と問いかけてきた。

閉鎖的な田舎だったため、談合について話したことはすぐに噂で広まり豊島の家族を追い詰めることになるだろう。

それを不安視した豊島は、自らの命と引き換えに家族・親戚の許しを遺書に書いていた。

豊島の娘には謝ることしかできなかった。白熊は通常通りの仕事をしただけだった。

しかし聴取の結果、談合の事実は明らかにできたが人の命が失われてしまった。

この件がきっかけで、白熊は配置換えとなり今までとは別のチームに入ることになった。

そのチームには白熊の他に同期の小勝負も配属されることになる。

小勝負は公認会計士試験、司法試験に合格、その後東大法学部を主席で卒業したという超エリートで留学先のハーバード・ロースクールで首席を納めてきたという。

白熊は前回の豊島の件を引きずったまま、小勝負とペアでの仕事に挑むことになる。

今回の仕事は、栃木県S市のホテル3社によるカルテルだった。

このホテル3社がウェディング費用を3社とも毎年同じ値上げ幅で増額しているという。そのためにS市の平均ウェディング費用は他地域に比べて1カップルあたり50万円ずつ余計に払っていることになる。

下調べはある程度できているが、ホテル同士の密談の場を押さえられておらず、調査してから立入検査となる予定だ。

早速、白熊と小勝負は栃木へと向かうが、他にも色々な問題が見えてきた。

該当のホテル経営者が何者かに襲われる事件、ホテルの納入業社いじめなど次から次へと問題が降ってくる。

白熊と小勝負のペアは果たして解決できるのか?

そして白熊は無事に彼氏と結婚できるのか??

感想

先月はイマイチ読書に身が入らず、読み切った本がありませんでした。

ですが!久しぶりに一気読みできるくらい本作は面白かったです!!

公正取引委員会という名前は知っているけれど、実態を理解していない未知の職種・・・

そして、ウェディング業界の闇を暴くという設定の面白さ!!

どの事件も新たに知ることができた知識などもあって興味深く、ミステリーとしてもとても楽しめました。

これもシリーズ化してほしいなぁ。今後が気になるよ〜〜〜。

弁護士シリーズの主役 剣持麗子とは異なり、迷いながらも模索していく白熊の姿には親近感があります。

ちょっと弁護士シリーズは合わなかった・・・という方にもおすすめの一冊です!

348ページと少し分厚いですが、中だるみせずに最後まで楽しく読めました。

今回の本の本体表紙と裏表紙

ブラインドから覗くのは主人公の白熊と小勝負でしょうか?(多分)

指差し確認中?

モノトーンでシックな本体です!

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