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今回の本
今回の本はキンドルの検索で見つけて読んだものですが、読めて本当に良かった!
この作家さんと出会えて本当に良かった!と思えた一冊です!
第3回文芸社文庫NEO小説大賞大賞受賞作です!
あらすじ
月曜日は週の始まりにあり、嫌われてきた。
月曜日を嫌いすぎて精神に異常をきたす病であるブルーマンデー症候群が全世界的に流行っている。
みんな月曜日が休みの三連休を待っている。
カレンダー的にその日は月曜日の表示が赤くなるその日を。
しかし、俺はあれを『労働者をズタボロにした返り血で真っ赤に染まっている』と考えている。
ある日曜日、友人がSNSに投稿した文字列を口に出してから眠りについた。
「月曜日なんて、死んじまえ」
次の日、いつも通り起きてスマホを見て五度見はした。
スマホのロック画面には慎ましやかなサイズで火曜日と表示されていた。
丸一日寝てしまったのか?と思い家の中を見渡すと、カレンダーから月曜日の文字が消えていた。元から無かったかのように…
月曜日が無くなったことによる混乱、月曜日を擁護する宗教団体と撲滅運動をする団体との対立。
そして俺は月曜日がなくなったことにより土曜日も働かなければならなくなり、週2日の休みは無くなった。
時間が経つにつれて、月曜日の記憶が無くなっていく人々。
俺は大学時代にとある女性と約束したことがあったが、内容を思い出すことができない。
その女性と再会したが、巫女として月曜日の神様に捧げられることになっていた。
俺はその女性を助けるために友人たちと出雲へ向かう。
果たして女性と月曜日を取り戻すことができるのか?
感想
面白かった〜!
なんというかストーリーもだけれど、文章が面白いです!
「私、この人の書く本を追い続けたいかも!!」
と思いました。
朝井リョウさんのエッセイや森見登美彦さんの文章が好きな人は、この本の文章にニヤニヤが止まらないかもしれません!
独特の言い回しだけど、面白いし良く考えて作られている文章です。
月曜日が消えてしまった後に主人公が呟くセリフ…
『バイト感覚で曜日やられちゃ困るんだよな』
バイト感覚って!!!私はここで笑いました。
決戦の地、出雲大社での情景もクスリと笑わされました。
『現在の俺は因幡の白兎たちも脱帽する、脱兎の如き健脚で石畳を蹴っている』
気に入った表現が多すぎて、メモが追いつかない〜!…なんてKindleアプリで読んでいるので、すぐハイライト機能使えるんですけどね。
本作はそういった意味でも電子書籍で読んでよかったです。
でも気に入ったので紙の本も手元に欲しいな…
物事に対して私が思っていたのとは異なる新しい考え方を教えてくれました。
主人公の友人の1人が語る飲み会における上座と下座の概念も目から鱗でした。
ストーリーは月曜日が消えたことにより、宗教団体や国家組織そして主人公と友人たちが月曜日を取り戻すために日本の神様が集まる出雲大社で決戦を行うという壮大なものに発展します。
古事記が好きな私にとってなんて嬉しい展開なんだ!!
古事記知らなくてももちろん楽しめます。
友人たちが主人公を先へ行かせるために1人ずつ減っていくところは、私はセーラームーンの初代映画を思い出しましたが、本作はもっと不純な動機で1人ずつ減っていくのが面白過ぎました!
なんせ文章がウィットに富んでいるので、どんどん読み進められます。
この先も追い続けたい作家さんになりました!
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文章が面白くて読んでる時にクスッと笑っちゃう本を紹介します。