こんにちは。
スマホにしてもう7年近く経つのに未だにフリック入力が出来ず、キーボード表示で文字入力しているku_mineです。
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Contents
今回の本
芥川賞受賞作と知ってはいながら、ずっと読んでいなかった本です。
最近ふと気になって積読から抜き取りました。
あらすじ
古倉恵子はコンビニ勤続18年。
コンビニのマニュアルに沿って動き、周囲の人の話し方や服装を参考に普通に見えるように働いている。
古倉は幼少期から普通ではなかった。
小さい頃に公園で死んだ小鳥を見つけた時。
他の子供は悲しくて泣いていたが、古倉は小鳥の死骸を手に持ち「焼き鳥にしよう」と母に提案して周りを驚愕させた。
小学生の頃には同級生の男の子が取っ組み合いの喧嘩をして、周囲の子が「誰か止めて」と言ったので、『止めるために』スコップで男の子の頭を叩いてすっ飛ばした。
なぜ周りの人が悲しんだり怒るのか。理由が分からなかった。
その後は自分からは発言せずに皆んなの真似をするか指示してもらい、大学まで進みコンビニのオープニングスタッフに募集してからずっとアルバイト店員だ。
今、古倉はコンビニの『店員』という仮面を被って生きている。仕事以外の時間もコンビニ店員をやるために生活している。
商品やアルバイトの変動が多いコンビニの中で毎日を過ごしていたが、ある日新規アルバイトで白羽が入った。
白羽は変わった考えの持ち主で、古倉にいい歳してコンビニ店員でいるのは恥ずかしいと言う。
「普通」とは一体なんなのだろう?
感想
村田沙耶香さんの本は読み終えた後に「すごい本を読んでしまった」と真っ先に思うのですが今回もそうでした!
村田沙耶香さんの本で感じる「すごい」というのは、未知との遭遇で驚きの方が大きいです。
最初から中盤までは、『普通ってなんだろう』と考えさせられました。
普通とは、自分の所属する集団と同じような服装・話し方・生き方をすることで認めてもらえること?
そこから少しでも外れると異物として排除されるか矯正されるか。
本作の主人公である古倉さんは、どこか知的障害があるのかと思いましたが、そう感じるのもそういえば『異物として』見ていることになるのでしょうね。
古倉さんは、家族に心配をかけないようにするため、自分が普通に近づけるように周りの人達から色々なものを吸収して『人間』になれるように頑張りますが、ラストの展開には驚きました。
やっぱり古倉さんは「普通じゃない!」
人ってあまりにも自分や周囲から飛び抜けた発想や行動する人を異質とみなし、枠から外そうとするんだなぁと文中だけでなく、身をもって体験させてくれる本でした。
そう考えると体験型の本で、凄いなぁ。
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