こんばんは。
妻の方です。本日読み終えたばかりの本について、書きたいと思います。
タイトルは「殺人出産」。
なんて物騒な題名なのかしら。ワクワクするじゃないか。
出産と殺人は、決して相容れぬもの。なのに並列して題名になるとは何事か。
この本は、全部で4編からなります。
全て、生と死に関わるもの。
表題作の「殺人出産」は、期待を裏切らない。
10人産んだら、1人殺せるという未来。
女性も思春期を迎えたら避妊器具をつけられ、子供を産むのは本人が望むときか、もしくは【産み人】になった人か、罪人か。
そして、この未来では男性も人工子宮によって産む側になることができる。ちなみに男性の方が負担が大きいらしい。(人工子宮を取り付けるための手術や帝王切開での出産になるので)
設定が面白い。1人を殺すために10人産む。10年以上の月日をかけて、出産という命がけの行為を繰り返す。1人を強く想って。
そして【産み人】に殺された人は、みんなに感謝される。
主人公の姉がもうすぐ10人目の子供を産む。殺すのは誰なのか。
非現実的な不思議な世界だけれども、読み終えた後はゾッとする。こんな世の中にならないという保証はないから。
どの話も非現実的だけれども現実になる日が来るかもしれない。そんな話が詰まっている。