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今回の本
直木賞受賞された西條さんの本です!
出版されたのは、2018年と少し前ですが、受賞を記念して本屋さんで平積みされていたところ表紙が綺麗で気になり購入しました。
あらすじ
大阪堂島で親から受け継いだ問屋をしていた上田秋成は町一帯を襲った火事で店を失った。
妻と母は妻の実家で世話になっているが、医師の勉強をするため秋成は、幼なじみの雨月が住む離れに居候することに。
『雨月』の名は本名ではなく、自身が俳人であるため号である。
雨月は、月が霞む夜に人語を介する兎の遊戯と出会う。
その直後、雨月と遊戯は恐ろしい老人の霊を見る。
幽霊を見ることが出来ない秋成に事の次第を話し、老人が悪霊となった理由を知るために老人の家を訪れ真実を知る…..
以下の章から構成されています。
・紅蓮白峯
・菊女の約
・浅時が宿
・夢応の金鯉
・修羅の時
・磯良の来訪
・邪性の隠
・紺頭巾
・幸福論
感想
読み終えるのが惜しくもあり、早く雨月の正体を知りたいと思う気持ちが強く、どんどん頁を捲ってしまう一冊でした。
元々、宇治拾遺物語や今昔物語は大好きで雨月物語も昔読んでいました。
すっかり忘れていたけれど、雨月物語の作者は主人公の秋成だったのですね。
秋成と友人である雨月の2人による怪異に対しての小説 陰陽師を思わせる掛け合い。
そして雨月物語で目にした覚えのある物語の裏話というか体験談というか。雨月物語のメイキング話ですね。(良い表現が思いつきません)
最後は雨月の正体に驚きました。
まさかそう来るとは….
でもその後の一文で納得しました。
『秋成が捨てた事々を、雨月は大事に拾い集めて差し出してくれた。』
私は、とても良い本だと思いましたが読書メーターなどの評価をみると評価が割れてますね。
最後の展開に好き嫌いがあるのかな。
単行本の装丁もとても素敵です。
私は早々にカバーを捲ってしまったのですが、カバーとカバー下の差がとても好みです。
ぜひ実際に見てみてくださいね!
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