こんばんは!
今日は節分でしたね。
残念ながら今年は豆の準備も恵方巻の準備も間に合わず、エアー節分で我慢しています。
では早速、今回の本を紹介したいと思います!
Contents
今回の本
昨年末の単行本コーナーで私には光って見えたこちらの本。
「うつくしが丘」という綺麗で高級住宅地っぽい響きに合わない「不幸の家」という言葉。
最初の出だしの言葉にも惹きつけられました。
そして思ったのです。
この本、絶対面白い!と。
2022年4月に文庫化しました!こちらのジャケットも綺麗ですね。
あらすじ
この本は、5つの章とエピローグで構成されています。
一軒の家を舞台に入れ替わる家族について描かれています。最初方のお話を少しだけ紹介したいと思います。
【第一章 おわりの家】
築25年の三階建て一軒家を購入した美保里と譲。
譲は理容師で、美保里は美容師。一階をリフォームして『髪工房つむぐ』は2日後にオープンを控えている。
しかし、美保里は店内に1人きりだった。
譲が隣町の実家の理容店にヘルプで呼ばれてしまったのだ。
普段は義理の弟ばかりを可愛がり、ずっと実家の理容店で働いてきた譲に店を渡すと話しておきながら、義弟が実家に出来ちゃった婚で帰ってきたら譲の方を追い出したのだ。
こんな事情があるにも関わらず、都合の良いものである。
結婚式の費用も使って、2人で独立するために購入した夢の一軒家。庭には大きな枇杷の木が生えている。
夢が叶い、気分も上がるはずがとある出来事のために気分が沈んでいた。
庭先の掃除をしていたところ、通りがかった女性に『不幸の家と知っていて買ったのか?』と問われたのだ。
しかも下世話なことに、住んだ人みな逃げ出すように出ていくのだから割引してもらったのかとも聞いてきた。
ショックでその後のことは覚えていない美保里。庭に出て、不吉と言われる枇杷の枝を切ろうとしていると隣の老婦人に声をかけられて・・・・
【第二章 ままごとの家】
美保里と譲が住む前に住んでいた家族の話。
この話の主人公は多賀子。ローン返済のためにスーパーでパートしている。
旦那は浮気をしているようで、高校生の息子は女の子を妊娠させてしまったようだ。
息子と旦那で勝手に今後の話が進められ、多賀子は待ったをかけるが・・・
【第三章 さなぎの家】
多賀子の前に住んでいた家族の話。
叶枝(かなえ)と紫(ゆかり)は高校の頃の同級生で親友だった。
卒業から8年経ち、叶枝はモデル目指して東京へ行き、紫は当時付き合っていた子と結婚して子ども産んだ。
紫とその娘と3人で暮らすようになって、二ヶ月。紫が着の身着のまま婚家を追い出された理由は聞いていない。
叶枝は職場の人間関係が上手くいっておらず、どこで信じていた未来を逃してしまったのか考える日々。
叶枝は、紫の娘が幼い子どもらしくないことが気になっていた・・・
【第四章 夢喰いの家】
【第五章 しあわせの家】
【エピローグ】
感想
この本は、5つの章から構成されますが、出てくる家族全て同じ家に住んでいます。
住んでいる時期は異なりますが、章が進むごとに一つ前に住んでいた家族の話となります。
全ての話に共通して出てくるのが、お隣に住む女性 信子さん。
信子さんの人柄に惹かれ読み進めるうちに、信子さんの秘密が明かされます。
その家に住む住人は、皆なんらかの形で信子さんに救われています。
サイドストーリーとかで信子さんの話があれば、読みたいな。
私が読んでいて、1番心にグッときたのは第三章の『さなぎの家』です。
第二章で出てくる落書きの[おんなのはかば]にただならぬものを感じ、第三章でその謎が解けて、スッキリするもちょっと切ない気持ちになりました。
最後もとても素敵な終わり方で、何度も繰り返し読みたい本となりました!
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