【読書日記】きつねのはなし/森見登美彦

こんばんは。
今日も夏の夜にぴったりなちょっと怖い話を紹介します。

今回の本

今回の本は、こちら!!!

森見登美彦さんは、最近だと「夜は短し、歩けよ乙女」が映画化して、CMで星野源さんが「パンツを!誰か私にパンツをください!」と叫んでいるシーンが流れていましたね。

映画を観たかったのですが、公開中に映画館に行けずじまいでDVDを待っている私です。でも待ちきれずに、本を読んでしまいました。この本もいずれ紹介します。

あらすじ

本題の、きつねに戻ります。この本は4編からなりますが、全て繋がっています。

・きつねのはなし

→古道具屋の芳蓮堂にアルバイトしている武藤。店の主人であるナツメさんからどうも奇妙な屋敷に住む天城のところへ遣いに出される。天城さんのところへ持っていく骨董は中を見てはいけないと指示されている。ある日、主人公の武藤は大事なお客様に納品予定の皿を割ってしまう。困った武藤はナツメから天城さんのところへ行くように言われるが、なぜか不思議な指示を与えられた。

『天城さんが冗談であなたに何か要求するかもしれませんが、決して言うことを聞いてはいけません。どんな些細なものでも決して渡す約束をしないで下さい。』

無事に代わりのものを納品できたが、その日から奇妙なことが起き始める。ナツメさんが狐の面を異様にこだわるのはなぜか。
そして、先ほどの言葉が意味するところは?

・果実の中の籠

→同じ大学の人文系の研究会の先輩の家には、本が沢山ある。ここに入り浸る後輩である主人公。

先輩は、いつも本に埋もれながら書き物をしていた。先輩は放浪の旅に出ていたことがある。そして、色々なアルバイトを経験しており、時には危ない目に遭ったこともあるという。アルバイトで荷物を運んだ時、狐面をつけた男から指示を受けたという。

そんな不思議な体験をした経験豊かな先輩を尊敬していた。ある日、先輩の彼女と先輩と主人公の3人でクリスマスを過ごした時、先輩が彼女へ渡したものは、柿のような果実の中から、とぐろを巻いた小さな龍が顔を覗かせている根付だった。

この時から少しずつ何かが変わっていく。

先輩がいつも書いているものは一体なんだろうか。

・魔

→夜毎に人が襲われる。夜更けに路地を歩いているところを襲われる。襲っているものは人間ではないと言う人もいる。「魔が通る、と言うんです」と語るは、主人公が道すがら寄った煙草屋の店主の娘。

主人公は、剣道をしている学生の家庭教師をしている。
その生徒には同じく剣道をしている兄と女友達がいる。

通り魔、剣道、学生。

さて通り魔は一体だれ?

そのほか、「水神」という短編もあります。

感想

私の感想としては、夏の蒸し暑い夜に急に虫の声が聞こえなくなって、心細くなるような感覚が読んでいる最中ずっと続いていました。全編にわたって、キツネがキーワードになっています。以前に「太陽の塔」は小難しい言い回しが多くて読むのに挫折しながらでしたが、今回は、暗い世界にずぶずぶと引っ張られるように何かに追われるように読み終えました。

個人的には、今回紹介していない「水神」が好きでした。過去の因果も絡まり、怪談ものとして映画化されても余韻が残り、ずっと気味が悪いのが残りそうだと思いました。

夏の夜に涼しくなるというより、ジトッとするかもしれませんがオススメ致します…..

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