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今回の本
朝井リョウさんのエッセイでどはまりした後に、螺旋プロジェクトを知り読まなければと買った1冊目です。
少し、積読で寝かせてしまいました!
あらすじ
製薬会社に勤める北山直人は、妻と母の間に挟まれ悩んでいた。
いわゆる嫁姑問題だ。
妻である宮子と自分の母親とは同居している。同居に関しては、宮子は当初特に嫌がっていなかったが、実際に一緒に暮らしてみるとうまくいかないようだ。
二人の間に子どもがいないこともチクチクと言われているようで、不満が溜まった宮子から愚痴を聞く。
宮子には、同居をうまくやり過ごす自信があった。人間関係について円滑にやっていける技術を持っていた。なぜなら、彼女はスパイとして働いていたからだ。
それなのにどうしても姑とはうまくいかない。
ある日、生命保険会社の男が姑を訪ねてきた。
しかし、あいにく姑は留守にしている旨を宮子が伝えると、男は姑とうまくやっているか?と聞いてきた。
詳しく聞いてみると、うまくいかないのは規模の大きな相性のせいだという。
宮子は目が蒼く、姑は耳が大きい。
うまくいかないのは、遠い昔からの因習のせいだと。
簡単には解消出来そうもない問題を抱えた嫁姑問題。
一方で直人は先輩からとある病院の受け持ちを引き継いだが、その病院が抱えている問題について気が付いてしまい事件に巻き込まれていく・・・・さらには自分の父親の死について疑問視するようになり・・・
感想
実はこの本は最初のシーソーモンスターの章を半分読んだところで積読にしていました。
その当時は、嫁姑のドロドロ戦争を読みたくて購入したのですが読んでみると「どうやらそう簡単な話ではなさそうだ」と思い一旦中断していました。
今回改めて最初から読み直したところ、一気読みでした!!
この本は嫁姑戦争の話ではなく、もっとスケールの大きい2つの種族による戦いの話です。
山に産まれた一族と海に産まれた一族。
この2つの種族は、対立するつもりはなくても意識する前に対立する様に行動してしまう。
そしてこの戦いを見守るための審判者がいる。
最初のシーソーモンスターでは、勢いのある話でどちらかと言うと体育会系(武闘系?)なお話でした。
そしてラストはまさかの展開で対立だけではなく、対立しないための模索をするところが救いがあり未来が明るく感じました。
次の章のスピンモンスターはIT系の人工知能の話。
遠くない未来に起こり得そうな話だと思いました。
ただ、ラストが切ない。
人類の未来には希望が持てたけれど、主人公にも良い結末が訪れることを祈ってしまいます。
シーソーモンスター、スピンモンスターのどちらも2つの意味を持っていて、さすが伊坂幸太郎だなと思いました。
スピンモンスターでシーソーモンスターの対立していた2人が出てきて嬉しかったです。さすが!!って興奮して読みました。
螺旋プロジェクトのほかの本も読まなければと意気込んでしまいます!
おすすめ関連書籍
螺旋プロジェクトの他の本を読んだら随時こちらに紹介していこうと思います!
太古から続く海族と山族の対立がどのように始まり、時代を経ていくのか。ぜひ追っていきたいと思います。