【読書日記】推し、燃ゆ/宇佐見りん

こんにちは。

先日、生後2ヶ月の娘と初めて車で遠出したのですが、準備に時間かかりました〜。

ミルクやらオムツ替えシートやら、色々想定して用意しなきゃいけなくて大変!

当の娘は、割と終始ご機嫌で初めてのドライブは無事に終わりました。

そういえば防災グッズも見直さなきゃ!

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今回の本

テレビで芥川賞と直木賞についての報道をみて、今回は両作とも手に取りやすそうだなとおもい、購入しました。

本当は紙の本で欲しかったのですが、発表の夜には書店からすでに消えていたため、今回は電子書籍でサクッと購入となりました!

あらすじ

男女混合グループの上野真幸(うえの まゆき)のファンである あかり の生活は、推し中心だ。

推しのグッズ購入やライブに行くための資金を得るためにアルバイトをする。

アルバイトも高校生活も上手くやれず、仕方ないと諦めているが推しの応援にはブログやCD購入で力を注ぐ。

長年応援していることから、推しを解釈することに熱中する。推しは、あかりの『背骨』だ。

そんな日々の中、起きた事件。

推しがファンを殴った。

一気に炎上したが、あかりは変わらず推し続けようとするが、高校生という変動の大きい時期ゆえにあかりの生活にも変化が現れ始める。

「推しは命にかかわるからね」

感想

現在のところ私はアイドルの熱烈なファンではないのですが、中学生時代にV6の三宅くんのファンだったことを思い出しました。

あの頃はコンサートに行き(とはいえ2回しか行きませんでした)、三宅くんの顔写真うちわを振って会場の熱気に呑まれながらも周りから外れないように必死に応援していました。

この本を読む前にどうしても頭をよぎったのは、嵐の活動休止です。

コンサートがあると街にはキャリーケースを持った嵐ファンと思われる女性たちを目にすることが多く、ファンの多さを感じさせられました。

本作は自分の好きなアイドルが活動休止、スキャンダルが出たときのファンの心理描写が良く描けているなと思いました。

あかりの「背骨」となっていたアイドルが炎上そして引退することになり背骨の名の如く、生活さらには生きていく上での中心が揺らぎ始めたときの不安定感には読んでいるうちに心がザワザワしました。

祭壇を作り推しを応援しグッズに大金を注ぎ込んで、ブログではあかり自身のファンが出来るぐらい閲覧されているけれど、現実は高校生活がままならないだけでなく生活自体がうまく送れないところに思春期ならではの不安定さを感じます。

芥川賞作品を読むのは2冊目だったのですが、読んだ後の虚無感や自分にも降りかかるかもしれない現実感を今回も抱きました。

大団円で終わる話ではないけれど、生きていく上での不条理、諸行無常を感じ、読み終えた後にずしっと重みのある本でした。

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