こんばんは。
今日は、こちらの本を紹介します!!
「二歩前を歩く。どうやって??」と思い手に取った本です。
全部で6編からなる短編集ですが、解決策を見つけるのは企業の研究員である小泉で共通しています。
研究者ということは理系。ということは、論理的に謎を解決策していくのかと思いきや、違った!!論理的で謎を解くのは間違いないのだけれど、その謎が…超常現象で・・・
謎は、本を読んで見てください。ちょっとイヤミスかなぁ。
以下、各章ごとに紹介していきます!
・一歩ずつ進む
家に帰るたびに、玄関先に置いていた青いスリッパが居間に向かって移動していく。しかも一歩ずつ。確実に。
スリッパは一体どこへ向かっているのか。そして誰の仕業なのか。
・二歩前を歩く
道を歩いていると、誰もが一定の距離で驚きサッと身をかわすようにして避ける。ただその距離感があまりに遠い。普通なら目の前にいる人を避けるような動きを5メートルも手前で行うのだ。
一体なぜ?そして原因は?
・四方八方
奥さんを亡くしたばかりの岩尾がしたことは、奥さんの遺髪を壁紙に貼ること。しかも4つの壁全てに満遍なく。
なぜそのようなことをしたのか。そして岩尾は精神的に大丈夫なのか。行き着く先は・・・?
・五カ月前から
五カ月前から家に帰ると浴室の電気がついている。しかし毎日ではない。だが確実に消した日にも電気は点いている。なぜか。曜日と電気がついている浴室というキーワードで小泉が謎を解いていく。
・ナナカマド
ガソリンが勝手に増える。給油口にシールを貼って、入れたら分かるように対策してもシールは剥がれずに給油されている。しかも満タンではなく、7割ぐらいまで。
誰が何のためにガソリンを貢ぐのか。
はっきり言って、この話は怖い。最後も怖い。
・九尾の狐
会社で気になる女性社員のポニーテール(作中ではホーステールと呼んでいる)が決まったタイミングで2つに分かれるようだ。九尾と言うよりは、二叉の猫のしっぽのように。
その分かれるタイミングと彼女がなぜそれを隠さずに見せてくるのかを小泉と明らかにしたとき、彼女が伝えたいことが見えてくる。
ナナカマドの後に少しホッコリする話で終わってよかった。
このような6編から成ります。どれも最後がゾワっとするようなものです。普通のミステリーと違って小泉は謎を最後まで解き明かして語りはしません。本当は分かっているけれども言わずに各編の主人公が忘れていることや思い出したくないことを思い返し出来るところまでしか小泉は話しません。
ずっと読みたかった一冊でしたが、読んで良かったと思う一冊でした。