こんばんは。
今日は、最近読み終えたコチラの本についてです。
有川浩の本は今まで「県庁おもてなし課」を読んだことがあります。
この「レインツリーの国」は、8年前の平成21年に出ていたようです。
〈・・・ようです〉とは言いながらも目にする機会は、ものすごく多い本でした。
出たばかりの頃は本屋にズラッと並び、8年経った今もブックオフで棚にディスプレイ(多面陳列というようですね)されているのを目にしました。まぁ、そのおかげで今回手に取った訳ですが。
なぜ今まで読まなかったのか。
それは、レインツリーという言葉から単純に
レイン=雨
ツリー=木
なんか湿っぽい泣き要素の多い恋愛小説なのかなぁと想像していたためです。
読んだ結果・・・
全然違った。湿っぽくない。けれども結構グサッとくる箇所がいくつかあった。
では、内容をサラリと紹介致します。
主人公の伸行が中学生の頃に読んだ、忘れられない結末を迎えたライトノベルがある。大人になって社会人3年目になってもちょっとしたトラウマになっている。
どのような結末なのかというと、謎の組織にさらわれたヒロインを取り返そうと高校生の男の子たちがハチャメチャするもの。無事にヒロインを救い出してハッピーエンドだったはずが、最後にヒロインとヒーローのカップルは引き裂かれる。しかもヒロイン自身が、追っ手から逃げる生活を拒みヒーローについて行かなかった。
この本のラストについて、他の読者はどのように考えているのかを伸行は知りたくてネット検索をした。
そこで見つけた一つのブログ。それがヒトミの運営する〈レインツリーの国〉。
伸行は、やっと思う存分この結末について語れる相手をみつけた。ヒトミに思い切ってダイレクトメールをしてみると、ヒトミの頭の良さや女性目線の感想、メールやり取りでのテンポの良さにどんどん惹かれていく。
そして会いたいと思うようになり、ヒトミと会うと初日の別れ際にヒトミの秘密を知ることに。
その秘密を知った伸行の憤り。そしてヒトミの少し意固地な考え方。伸行の率直な、でも無神経ではないメール。
メールのやり取りが多いけれど、その中で読んでいる私の価値観にも色々とグサッと刺さるようなものがあった。
すれ違いもあったけれど、単なる喧嘩ではなくて自分の価値観を変えるための大事な時間であって。
今までの思い込みを変えるために、それぞれがすごく真剣に向き合っている姿が良い。
そして最後に明らかになる〈レインツリー〉の意味。
私の予想もは全然違った。
ときには真剣に相手のことを、今までの価値観を見直してみる時間を持つことも必要ですね。