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今回の本
ナツイチ2021の一冊でもあり、以前から読みたかった本でもあり、文学Youtuberのベルさんがインスタで紹介していたことから興味を持った本です!
あらすじ
『ハンドメイド』
24歳の あきこ は24歳。
昼休みは同僚と食堂でランチをするのが日課だ。
同僚は日替わり定食で、あきこは持参したお弁当を食べていると同僚が彼氏の話をし始めたので慌てて諫める。
その彼氏は既婚者なのだ。どこで誰が聞いているかわからない。
昼休みが終わる頃にあきこのスマホにメッセージがきた。
『今日のご飯は何?』
あきこは今朝、早起きして昼食用と彼と2人で夜に食べる用のお弁当を作って会社に持ってきていた。
社内では同じフロアにいながらも会社では関わりのない彼と会うのは、ホテルだ。
彼には昼食用にお弁当を作ってくれる最愛の彼女がいるから。
感想
『カモフラージュ』というタイトルについて、1人では考えきれなかったのであとがきと解説を読んで納得しました。
大体の短編集はタイトルに代表作のそれをつけているのに、本作には『カモフラージュ』というタイトルの短編はありません。
解説のおかげで、タイトルはカモフラージュしかありえないとまで思うように。(単純)
収録されている7つの話の主人公はいずれもカモフラージュしています。
ここで一度カモフラージュの意味についておさらい。
カモフラージュ
=表面を取り繕って人の目をごまかすこと。
周囲の風景に溶け込んで敵の目を欺き発見されないようにすること。
最初の『ハンドメイド』では、会社内では関わりのあまりない上司と部下を装いながらも夜にはホテルで部下の冷え切った手作りお弁当を食べる仲…
そして『ジャム』では我慢して色んなことに耐えているけれども限界が来たら自分自身を口から産み出して破棄する人々…
全編、【食】に関する話でほっこり系の話がなくどことなく不気味でゾワゾワするものでした。
特に『ジャム』は衝撃的。意図せずに黒い背表紙のホラー本を読んだような気になりました。
感覚に対する書き方が鋭くて、でもイメージしやすくてとても読みやすい文章でした!
これでデビュー作とは!
本作はホラー要素がベースにありそうだけど他の作品も読んでみたいと思いました!
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