先日、妻が友人からLINEで「SIMフリー使ってる?」と聞かれたらしいです。
SIMフリーという単語が先行していますが、この単語が出るということは考えられることは2つです。
・海外旅行を考えているか
・格安SIMへの乗り換えを考えているか
のどちらかだろうと思いました。
少し前にTwitterでもみましたが、最近はSIMフリーのことを格安SIMと呼んでいるケースがあるようです。
間違った認識ですので、今回はSIMフリーについて記事にしたいと思います。
Contents
SIMフリーと格安SIMの違い
web上の情報でも一緒に扱われているので、勘違いしている方が多いと思いますが、SIMフリー=格安SIMではありません。
SIMフリーについて理解するためには、端末と回線を分けて考える必要があります。
長い間ガラパゴス化してきた日本の携帯電話に慣れ親しんだ日本人にとっては、切り離して考えるのは難しいのかもしれません。
簡単に言うと、
・SIMフリーは端末のこと
・格安SIMは回線のこと
になります。
馴染みのない方には何のこと?かもしれませんので、別なものに例えると
・SIMフリーはパソコン
・格安SIMはNTTの光回線
と言えば分かるでしょうか?
もしくは
・SIMフリーはジョッキ
・格安SIMはアルコール
とも例えられるかもしれません。
とりあえず別物として理解してください。
SIMフリーとは?
もともと日本以外の国で売られている携帯電話やスマホの端末はほとんどがSIMフリーです。
SIMフリーが特別なのではなく、日本の三大キャリア、ドコモ、AU、ソフトバンクが販売している端末にはロックがかけられています。
「自社で販売した端末は自社の回線でしか使わせない」ようにするための仕組みがSIMロックです。
SIMロックがかかっていない端末がSIMフリー端末になります。
SIMフリー端末であれば、どのキャリアの回線※でも使うことができます。
※端末が各キャリアの通信方式に対応している場合
docomoとソフトバンクは同じ通信方式ですが、AUは通信方式が違うのでSIMフリーであっても互換性はありません。
ただし、最近の端末(iPhoneなど)は両方の通信方式に対応したものもありますので、両方使える場合もあります。
SIMロックの問題点
SIMロックの何が問題なのでしょうか?
docomoが売った端末をdocomoの回線で使う。これは一見普通のことに感じるかもしれません。
そう思ってしまうのも仕方がないです。日本では携帯電話の契約時に端末を購入するのが当たり前になっているからです。
本来であればこの2つは切り離して売るべきだと思っています。
先ほど例えた例ですと、「NTTの光回線はNTTが販売したパソコンじゃないと接続できない」なんておかしなことですし、「お店で販売したグラスにしかアルコール出さない居酒屋」なんておかしいですよね?
それくらいおかしな事だと思ってます。
まとめますと、SIMロックの問題点とは好きな端末で使いたい回線を使う自由が奪われてしまうという事なのです。
格安SIMとは?
格安SIM関しては、以前の記事で紹介しています。
格安SIMを簡単にいうと回線のことです。
厳密にいうと、SIM=回線ではないのですが、回線を使用するためにはSIMが必要なので、ここでは同じものとして解釈してください。
回線について補足
格安SIMは実際にはMVNOと呼ばれる回線サービスで、docomo回線やAU回線を間借りして通信する回線になります。
実際に使用する回線はキャリアと一緒なので、エリアなどは一緒になりますが速度面で帯域制限が付いたりします。
先ほど例えた例を再び持ち出すと、アルコールの部分が格安SIM(回線)です。
アルコールは色々ありますよね。生ビールだったり発泡酒だったり、焼酎ならビッグマンだったり赤霧島だったり。
安く飲みたい、とにかく量を飲みたい、高くてもこれが飲みたい、気に入ったグラスで飲めるなら中のアルコールはなんでもいいなんて人もいるかもしれません。
高いお酒が三大キャリアで、安いお酒が格安SIMと理解していただければ良いでしょう。
SIMフリー=格安SIMは間違い?
先ほどキャリアがSIMロックをかけていると説明しましたが、SIMロックがかかっていると格安SIMが使えないからSIMフリー端末が必要と言われている可能性があります。
実際には格安SIMであっても、docomoやAUの回線を使っているので、キャリアの端末で格安SIMを使うことが可能です。
全ての端末でどの格安SIMでも使える保証はされていないですが、基本的には使えるはずです。
キャリアの端末も使うことが可能なため、格安SIM=SIMフリーは間違いとも言えます。
SIMフリー端末の価格
ここまでSIMフリー(端末)と格安SIM(回線)の違いについて書きましたが、実際にSIMフリー端末が安いのであれば、SIMフリー=格安SIMと言えると思いますが、一般的にSIMフリー端末はキャリア端末よりも高くなります。
キャリア端末は購入サポートがあるので、2年間の実質金額だと端末自体は安く購入できます。
その辺の話は以前の記事に掲載していますので、そちらをご覧ください。
まとめ
格安SIMやSIMフリー端末の復旧により、サービスの選択肢が広がっていい世の中になりました。
それでも響きのいい言葉だけを聞いていると思わぬ落とし穴があります。
言葉の違い、物の違いをきちんと理解して自分にとって適切なサービスを見つけましょう。
今爆発的に伸びている格安SIMは確かに安いです。
2年払いが終わったiPhone6あたりを持ってMNPをすると、携帯料金はすごく抑えられると思います。
ただ、その端末はバッテリーの寿命などがありますので、ずっと使い続けられるわけではありません。
その時に買い換えるコストも踏まえて選択する必要があります。