【読書日記】スガリさんの感想文はいつだって斜め上/平田駒

こんばんは。
札幌は、最近すっきりしない天気が続いています。気圧のせいか頭が痛くなることがしばしば…
そんな鬱々とした日には、スカッとする本が読みたいものです。
ああ、でも雨の日のような湿っぽい、気分が落ち込むような話も魅力的ですよね。とりあえず、本を床に山積みにして埋もれて本を読みふけりたい…

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今回の本

本屋の単行本コーナーで見かけた真っ赤な装丁の本。インパクトある装丁に目が釘付けに。さらには、「感想文」というキーワードがタイトルにあり、本に関することなのでは?と予想します。それにしても、タイトルの「感想文」の後に続く「斜め上」が気になってしょうがない。

こんなに心が惹かれるならば、買うしかない。そう覚悟を決めてレジへと向かったのです。

あらすじ

愛知県初の男性の家庭科教師の直山杏介は、裁縫が得意で大好きだが気が弱く押しに弱い。今日も教頭から[愛知県初の男性家庭科教師][高等部で最年少の教師]であることを掲げられ、運動部の顧問になれと詰め寄られて胃痛に悩まされている。

直山だって部活顧問をしていた。先日までは。顧問をしていた手芸部の部員がいなくなり、実質廃部となった今、どこかの顧問をしなければ教頭は黙っていないだろう。
家庭科準備室で悶々と悩んでいたところに声が掛かった。声がした方を振り向くと、部屋の扉と掃除用ロッカーの間に女子生徒が挟まっていた。

彼女の名前は、2年生の須賀田綴(すがた つづり)。去年転入してきた美少女で有名な子だ。しかし、彼女にはアダ名があり、その名もスガリ。地蜂の幼虫を弁当に持ってきて教室で食べたことから付いた。

そんな彼女が提案してきたのは、彼女が立ち上げる予定の読書感想部の顧問になってくれというもの。そして早速渡された綴の感想文は夏目漱石の[こゝろ]だ。その感想文は出だしからぶっ飛んでいた。

「死の直前、『K』はなぜ、開いた襖を閉めなかったのでしょうか?」

原稿を読む始めたその日。直山は、ひょんなことから高校の同級生3人と会っていた。高校時代、その3人は三角関係だったはずだった。それこそ夏目漱石の[こゝろ]のように。

新郎とその男友達と結婚式前にバチュラーパーティを行うことになり、直山も出向いたがそこで事件が起きた。新郎友人が途中でいなくなったのだ。直山は不吉な予感がし、探しに赴くが….

感想

一言で表すと、

もっとスガリさんの感想文が読みたい〜!!!

です。

[こゝろ]の感想文は、凄すぎて別冊や付録で付けて欲しいくらいです。間取り図はぜひ見てみたい。
そして、この章を読み終えた後は、速攻で買いに行きました。夏目漱石の[こゝろ]を。丁度夏のフェアやっていて、オシャレカバー版が出ていましたしね。

この本を読んだ方は、[こゝろ]の他に[手袋を買いに]も読み直したくなるでしょう。

とにかくスガリさんの感想文と読んでいる直山先生のツッコミが読んでいて楽しいです。

まぁ直山先生は、もうちょっとしっかりしろ!と喝入れたくなりますが。

ちなみにスガリさんと直山先生の恋愛は無いので、そういうのが苦手な方も安心してどうぞ。

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