【読書日記】事故物件、いかがですか?東京ロンダリング/原田ひ香

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今回の本

本屋で見かけて気になるタイトルだったので、思わず購入してしまいました!!

事故物件、いかがですか?東京ロンダリング 集英社文庫 / 原田ひ香 【文庫】

あらすじ

あなたは不動産ロンダリングという言葉を聞いたことがありますか?

いわゆる事故物件が生じた場合、不動産を紹介する際に直近の入居者には事故物件であること・どんな状態で亡くなられたのかを説明しなければならない。

けれどもその次に入居する人には先方から聞かれた場合のみに説明すればよいことになっている。

こういった事情から事故物件が生じた際には、それ専門の人に1ヶ月ほど入居してもらい、あとは何事もなかったかのように次の人へ貸し出すことがある。

これを行なってくれる専門の人・・・というのがロンダリングの人というわけだ。この人たちには家賃を徴収せず、逆に日当を支払う必要がある。さらには人が入居した実績は残るため、税金もかかる。

大家にとっては出費がかなり大きく痛いところだ。しかし、これを行わないと次の借り手がなかなかつかないのが現実だった。

まさに事故物件が発生して頭を悩ませているのは、38歳主婦の加島康江だった。

亡き義父から引き継いだアパートの管理を忙しい夫に代わって任されていた。子供も二人いるしパートもしているので不動産管理会社に間に入ってもらっているが、今回の『臭い』騒動では流石に大家も同行しなくてはならない。

深夜に仕事から帰った夫に相談するも「仕事が忙しい」「お前、暇だろ」の返答で取り付く島がない。

夫は自身の親から継いだアパート経営の割に関心がなく、お金の話の時だけ身を乗り出してくる。アパートを相続してからは、夫は給料を全額渡してくれなくなった。十万円だけ生活費に渡して、あとはアパートから入るお金で十分だろうとそれ以上は渡してくれない。

夫への不信感が募るが、まずは『臭い』の原因を確かめなくては・・・・

感想

いわゆる心霊現象で、どどーんと幽霊が出てきて驚かす…というような要素が無いので安心して読めました!

事故物件に住む人々の事情や紹介する不動産で働く人たちの思いなどがリアルで、本当にロンダリングという仕事があるような気がしてきます。

一番感情移入して読んだのは、最初の『うちの部屋で人が死んだら』でした。

義父から継いだアパート経営なのに夫は全く無関心で、相談にすら乗ってくれない。

それでも子ども2人を抱えながらパートにアパート経営を頑張る主人公。

夫に対して読みながらムカつきながら、主人公を熱く応援してしまいました。

各章のお話は余韻を残して終わるので、章を読み終えるごとに不完全燃焼感が積もるのですが、ご安心を。

最後に解消されます!

それぞれの章が濃くて、章ごとでもっと細かくその後など知りたいくらい!それぞれの本が出たらシリーズできっと買っちゃう。

今作は続編なので、たぶん1冊目はこの人たちが主人公だったのかな?と当たりをつけたので早速購入して読んでみたいと思います。

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