今回の本
インスタで見かけて読んでみたいなと思っていた本です。
今回の作家さんは、珈琲屋タレーランの事件簿でお馴染みの方です。
小説の中にさらに別の物語が広がる本は大好きなので期待して読みました!
アマゾンでは単話でも売ってるんですね!ですが全体通して読むことでみえてくるものがあるので本で読むことをお勧めします。
あらすじ
赤塚美織は京王線笹塚駅のホームで電車を待っていた。
彼に会いに行くために。
突然、「どうしましたか?」と70代の男性に声をかけられた。
特に何でもないと返答するも男性から美織にしか出来ない仕事を請け負って欲しいと持ちかけられた。
怪しいと思いながらも行ったことのある近くの喫茶店で話をしたいと言われたので、聞いてみることにした。
仕事内容とは、1日1話 美織の自宅に郵送される短い小説を読んで感想を書いて欲しいとのことだった。
全部で18話。
1話につき報酬は8万円。合計144万円ここから郵送手数料の1万円を引いて美織には143万円を読み終える3週間後に支払うという。
住所は既に知られているし、最初の1週間分の報酬も先にくれるというので請け負うことにした。
毎日届く小説は、綺麗な話ばかりではなかった。
全ての物語を読み終えたときにたどり着く真相は?
感想
ラストは圧巻でした。
今までの伏線がざあーっと回収されて、綺麗に完結!
いくつもの物語を主人公と一緒に読み進め、主人公の抱く短い感想に共感したり、「ちょっとそこまでは行き過ぎな考えじゃない?」と思ったり。
本書は3つのパートに分かれていると思います。
1: 小説を読むことになってから1週間経ったところ
2: さらに1週間経過したところ
3: 17話まで読み終えたところ
各パートで仕事を依頼してきた謎の男性に感想文を渡し報酬をもらうために会うのですが、やはり謎になっていくのは『依頼主は誰?』『この中途半端な報酬金額は何?』『この謎の男性は誰?』など話を読んでいるうちに抱くその他の謎…..
ある程度展開を予想しながら読んでいたのですが、想定外の展開でもう一度最初のページを読み直してしまいました。
本書内の17の短い小説自体もとても楽しめました。
嫌ミスもあったり、温かい物語もあったり。
二重に大満足な小説でした!
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