【映画】コーヒーが冷めないうちに

9月21日から上映されている「コーヒーが冷めないうちに」を見てきましたので、感想を記事にしたいと思います。

↓シアターの入口にあった有村架純のPOPです。

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事前情報

今回は珍しく前情報はほとんどない状態で見てきました。
予告編すら見ないじょうたいで、キーワードは「コーヒー」と主演が「有村架純」ということのみでした。

ある意味純粋に映画の内容だけを楽しんで見てこれた形になります。

ちなみに、2週間ほど前に原作の方は購入していて、妻が読んでいる途中です。
そのうち読書日記がアップされるかと思います。

あらすじ

ストーリーはオフィシャルサイトに記載されている内容よりも掘り下げない形で書きたいと思います。
ネタバレ部分は感想の方に非表示で書いておきます。

ストーリーの構成上、登場人物と切り離して紹介するのが難しかったので、並行して書いています。
※役者さんの名前は括弧書きで記載します。

ストーリー・登場人物

とある街にある喫茶店「フニクリフニクラ」が舞台のお話になります。
「フニクリフニクラ」は時田数(有村架純)とその従兄で店主の時田流(深水元基)の2人で営業しています。

このお店にはちょっと不思議な噂があり、ある席に座ると過去に戻れると言われていました。
過去に戻れるといってもいくつかルールがあります。

1. 過去に戻って、どんな事をしても、現実は変わらない。
2. 過去に戻っても、喫茶店を出る事はできない。
3. 過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。
コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければならない。
4. 過去に戻れる席には先客がいる。席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
5. 過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない人には会う事ができない。

出典:映画「コーヒーが冷めないうちに」公式サイト

このルールのほかに、過去に戻るためのコーヒーは代々お店で働く時田家の女性でなければ淹れることができないという条件があります。

複雑なルールがたくさんありますが、それでも実際に過去の戻りたいというお客さんが訪れ、過去の戻る話で物語が進んでいきます。
本作品の中では4つのエピソードがあります。エピソードは分かれていますが、オムニバス形式ではなく、お店を通じてそれぞれの登場人物は少しずつ繋がっています。

1、幼馴染がアメリカに転勤する女性の話

三十路直前の独身キャリアウーマン清川二美子(波瑠)が1週間前に戻りたいと騒ぐところから話が始まります。
1週間前の「フニクリフニクラ」でアメリカに旅立つ直前の幼馴染、賀田多五郎(林遣都)と会っていた時に戻りたがります。
最後に会った時に、喧嘩別れする形となってしまい、本心と違う言動をやり直したいようでした。

2、妻が認知症になった男性の話

最初のエピソードの時から「フニクリフニクラ」にいる女性、高竹佳代(薬師丸ひろ子)と彼女を迎えに店に来る房木康徳(松重豊)の話になります。
この二人は夫婦なのですが、妻は認知症によって夫が誰だか分からなくなっています。この店の常連でしたが、数のことも分からなくなってしまっていました。
それでも数に対し、夫に渡したかった物があると言っていました。

妻がいない時に夫が店を訪れた時にその話を聞き、渡したいものが何なのかが気になり過去に戻るという話になります。

3、家業を妹に押し付けて実家を飛び出した女性の話

「フニクリフニクラ」の常連客でスナックを営む平井八絵子(吉田羊)の話です。彼女も最初のエピソードから登場していますが、自由奔放な性格で、数や流ともフランクに接しています。
明るい性格ですが、実家の旅館業を妹に押し付けて家を飛び出したという過去を持ちます。
そんな彼女も突然の出来事により、過去に戻ることになります。

4、母親に会いたい女性の話

こちらは本作品の核心に触れる部分ですので、ネタバレせずに紹介するのが難しい為、詳細は割愛します。
感想と一緒に書きたいと思います。

感想

事前情報がない状態で映画を見てきましたが、個人的にはすごく好きな映画でした。
ほっこり系で見終わった後に気持ちよく終われる映画です。

映画を見た後に他のレビューサイトやブログで感想を見ましたが、中には酷評しているものもいくつかありました。
撮り方がどうだとか、演出がどうだとか、まあ揚げ足取りに近い物ですがこの映画はそういうものを求めて見る映画ではないと思います。

過去にも戻る話で、なおかつルールもたくさんあるのでSF的に考えると粗も指摘したくなるのですが、この作品はファンタジーと考えるとルールがあることにも意義が出てきます。

あと、レビューを見て目についたのが、キャッチコピーに使われている「4回泣けます」という部分に着目した評価が多かった点です。
レビューを見るまで、このキャッチコピーは知らなかったのですが、正直これは失敗だろうなと思いました。

映画館にあったチラシにも書いていましたので、載せておきます。

制作がTBSで、監督がTVドラマ上がりで映画デビューなので、こういった売り文句を好んだんでしょうけど、感動の押し売りみたいなコピーはよくないと思います。
泣けるシーンはあるものの、泣きまくるという作品じゃないと言うのが私の感想です。
ここから、各エピソードの内容を掘り下げて感想を書きたいと思います。

非表示にしておきますので、内容を見てもOKな方はクリックしてください。
スマホからampページをご覧の方は非表示になっていないかもしれません。注意してスクロールしてください。

ネタバレ部分表示

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最初のエピソードですが、喧嘩別れした幼馴染に伝えたいことを言う為に過去に戻る話なのですが、ルールにもある通り、すでに起こった過去は変えることができないのです。
幼馴染がアメリカに行くことは変わらないですし、喧嘩するという事実も変わりません。
なので戻ったところで何になるのか?最初は見ていてもわかりませんでした。

ですが、実際に戻ってみると最初の喧嘩では話題にあがらなかった「お互い独り身になったら結婚しよう」的なセリフが出ました。
そのおかげでお互いの本音の部分が少しだけ見えたことにより、彼女は彼を追いかけてアメリカへ行くことを決心することができました。

過去に戻っても起こってしまったことは変えられませんが、未来は変えることができるようです。
正確には未来を変えるのではなく、未来に向かう姿勢や気持ちを変えることができるといった形でしょうか。

この最初のエピソードは正直内容は薄いかなと思ったのですが、後々に続くエピソードに未来を変えることができると言う布石のための話だったのかなと解釈しました。

2つ目のエピソードですが、この話が一番泣けたと思います。
妻が夫のことを分からなくなるというのも悲しい内容ですが、妻自身がその病気のことを知った時に夫に伝えたかったことがまた感動的でした。
結局、夫には伝えることができなかったのですが、その思いは手紙に込められており、夫が過去に戻ることによって知ることができました。

妻は妻で夫を思いやり、夫は夫で妻を思うという夫婦のあり方を考えさせられる話でした。

ただ、ここで気になる点は過去に戻った夫が手紙を持って帰ってくるんですよね。
過去は変えられないはずなのに、過去から物を持ってくるというのはどうなんだろうか?っと思うかもしれません。
私としては、ファンタジーなんだし、それぐらいいいだろう?と解釈しました。

3つ目のエピソードは、若干もやっとした内容でした。
実家を飛び出した女性の妹が姉と話をするために何度も「フニクリフニクラ」に通ってきますが、ある日交通事故にあって無くなってしまいます。
そのため、亡くなった妹に会うために過去に戻るわけですが、そこで妹の本心を知ることになるわけですが、妹の願いはもう叶うことがないということが分かりました。
当然ですが、妹が亡くなったという事実は変えることができませんでした。

4つ目のエピソードは、「フニクリフニクラ」の店員、数の話です。
ルールにもありますが、過去に戻れる席にはいつも先客がいます。
この先客は実は過去から戻れなくなった数の母でした。

過去から戻ってこなかった母親の気持ちを知りたい数が過去へ戻るという話です。
ここで突然過去に戻るだけではなく、未来にも行けるという設定が出てきます。
この設定を利用して数が過去へ戻るという話です。

見ている時には予想できなかった展開で、驚きありの感動ありの素晴らしいエピソードでした。
こちらはぜひ劇場で楽しんでいただければと思います。

まとめ

全体通してそんなに濃い内容ではないですが、薄くもないです。
適度なバランスでほっこりするにはいい映画でした。

個人的にはかなり好きな映画です。原作はまだ読んでいませんが読み味としては「天国の本屋」シリーズにも近いものがありました。

今回は珍しくグッズも買ってみました。ブックカバーとパンフレットです。

ほっこりしたい方にはオススメの映画です。上映し始めたばかりですので、興味を持った方はぜひ劇場でご覧ください。

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